全国の多数の小学校、中学校で「朝の読書運動」が定着しつつあります。
毎朝、ホームルームがはじまる前の1分間、先生と生徒が自分の好きな本を持ち寄り、ただ黙って読む、というもの。

1988年に船橋学園女子高校(現在の東葉高校)で最初に導入されてから、「活字離れを防ごう」「読書の楽しさを知ろう」といったようなふれこみで、矢継ぎ早に広まっていきました。

しかし、正直言って、この運動、本を読むということの基本的な快楽原則を無視しているのではないか、と思えてしかたありません。

このサイトの別項でも書いているように、読書というのは読みたいときに読みたい場所で読むものです。
毎朝決まった時刻に、判で押したかのように、みないっせいに本を読むことが、果たして読書の楽しさを教えることにつながるのでしょうか。
日本人特有の悪しき横並び主義の片鱗が垣間見えるのも、違和感の原因のひとつかもしれません。

また、この運動を提唱している方がたの読書観、本というものの捉え方全般にも疑問を感じます。
それは本はなんでもためになる、本を読むとアタマがよくなる、といったなんとも旧来的な考え方です。

しかし、本のなかには、ためにはなるけれど決してまっすぐ健康的な内容ばかりでないものもあるし、残酷な描写が頻出するような読む者に不快感を抱かせることを目的とした小説なんかもあります。

自分の好きな本を読ませる、とはいうけれど、もし子どもが先述したような内容の本を読んでいたら、やっぱり先生は止めると思うんですがね。



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